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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第3章 思い出にはいつもキミが
待ち合わせ場所に現れた彼を見て、ようやく思い出した。
ジーンズに、少しヨレたシャツ。
私を見つけるとパタパタと走ってくるのを見て、私はアッと思った。
「すみません、待ちましたか?」
「いいえ..」
私が答えると、ニコッと笑った。
「どこかでコーヒーでも飲みましょうか。」
「ええ。」
俯き加減で頷き、二人で近くの喫茶店に入った。
「あの、吉田さんは陸上などされてたことはありますか?」
私が聞くと、驚いたように目を見開いた。
「え、ええ。中高と..あの、どうして..」
「いえ、先程走ってこられたフォームが..私も陸上部だったんです。」
「そうなんですか!?」
嬉しそうに笑う吉田さんを見て、私は驚いた。
寡黙そうな彼の笑顔は優しかった。
(こんな顔もするのね..)
私たちは高校時代や陸上の話をして、盛り上がった。