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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第3章 思い出にはいつもキミが
「あの、またお誘いしてもいいですか?」
吉田さんに躊躇い気味に尋ねられ、私はちょっと考えて頷いた。
するとまた嬉しそうに笑って、では、と帰っていった。
それから何度か食事やドライブに誘われ、私は次第に惹かれるようになった。
色々なことに興味があるらしく膨大な知識を持っていて、美術館や博物館に言っても、私が聞けばスラスラと教えてくれる。
けど決して自慢気じゃなくて、むしろ謙虚な彼に私は好感をもっていた。
そしてある日、私は交際を申し込まれた。
「僕とお付き合いしてほしいです。」
私は考えてる間もなく、お願いしますと頭を下げていた。
その後私は短大を卒業し保母になった頃には、年上の彼はすでに就職二年目だった。
恋愛となると奥手な彼は、昔のような積極性はなく、私がいつもリードしていた。
キスまで、一生できないんじゃないかと思うほど時間がかかり、初めての夜も、お酒の勢いを借りて、私が彼を誘った。
そんな私たちは付き合い4年目を迎えたころ、プロポーズされ、実家に挨拶に向かった。