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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第3章 思い出にはいつもキミが
彼が次男であることも含め、ご両親は快諾してくれ、私の両親も彼の人間性にも肩書きにも大満足だった。
かくして結婚し、長女をもうけた私は、保母の仕事を一旦辞めることにした。
そして小学校6年の修学旅行の時、私たちは久々に身体を重ね、長男を授かった。
結局仕事に復帰することはなくなり、今も家事に追われる生活。
寡黙な夫はさらに話さなくなり、休日の家族で過ごす時間は十分に取ってくれているものの、私との会話は無いに等しかった。
思い出に浸っていると、ポケットが震えた。
ーわかった。今日は早く帰る。ー
そのメールを見て少し安堵する。
昔のようなトキメキはもうない。
電話や手紙、PHSでしか繋がれなかった頃と比べて断然連絡がとれやすくなると、余計に当たり前の存在になってしまっていた。