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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第3章 思い出にはいつもキミが
それでも、私は長男の小さな手を取ってスーパーに向かい、ちょっと豪華なお肉を買った。
トキメキはなくても、今でも彼に恋している事実は変わらない。
「まま、ねぇねは?」
「ねぇねは、今日いないのよ~」
キッチンで下拵えをしていると、長男が私のエプロンを引っ張った。
「ねぇね、サンタさんは?」
「んーねぇねはね、もう高校生だからプレゼントはこないんだって。友君は何頼んだのかな?」
「あのねー!仮面ライダーのへんしんべると!」
「そうなんだぁ!早くサンタさん来てほしいね。」
私が言うと、嬉しそうに笑ってリビングに走っていった。
長男の笑顔は本当に夫にそっくりだ。
納戸にしまってある、仮面ライダーの変身ベルトを思い出し、喜ぶ顔を想像しながら私は野菜を切った。