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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第3章 思い出にはいつもキミが
「女の子が..20後半くらいかな。泣いててね。」
「え..?」
「多分振られたんだろうなぁ..プレゼントをこう、ガシャン!と投げつけてたよ。」
手でジェスチャーする夫に少し笑いそうになりながら
「まぁ。」
と反応した。
「ケーキ買ってさ、それを見て..何となく早く帰らなきゃなって思った。」
「どうして?」
私がいうと、こちらを見て、そっと腰に手を回された。
そんな久しぶりの行為にドキッとした。
「最近、友や早苗のことで忙しそうで、疲れてるのはわかってた。大好きな仕事まで辞めさせてしまったから、できるだけ僕は早く帰らなきゃと思ってたんだ。」
「....」
「でもいざ帰っても...僕はどう接したらいいかわからなかった。キミを..誘ってもいいのかも。」
「康夫さん....」
私が名前を呟くと、ゆっくり顔を近づけてきた。
そのままそっと唇を重ねる。
久々のキスはお互いぎこちなくて、まるでファーストキスみたいだった。