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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第4章 クリスマスの再会
実は三島くんは私の初恋の人だったりする。
でも友達も少なく、大人しい方だった私は、クラスの中心だった彼に告白する勇気なんてなかった。
けど一度私を誉めてくれたことがあった。
「木村って絵、上手だよな!」
美術の授業で描いた油絵を見た感想だった。
私は昔から絵を描くのが大好きで、好きな人に誉められてうれしくないはずがなかった。
イケメンとかではないけど、優しくて運動のできる明るい彼は憧れでもある。
勿論今でも、だ。
「桜ちゃーん!上がっていいよ~」
店長のネチっこく私を呼ぶ声も、今は気にならない。
「は~い!」
元気よくいうと、みんなが驚いたように振り返っていた。
(早く行こ!)
そんなことに気づかず、私はそそくさと服を着替え、コンビニを出た。
待ち合わせ場所の喫茶店では、もう三島くんがいて、手をあげた。
それに小さく手をあげ返し、椅子に座ると笑って私を見ていた。