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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第4章 クリスマスの再会
「ケーキはどうしたの?」
「ああ、一旦家帰っておいてきた!家すぐそこなんだ。」
「そうなんだ。私もここらへんだよ。」
「へ~!知らなかった。」
実は私は知っていた。
たまにちょっと朝の時間をあわせて、何度も話しかけようとしたこともある。
けど私にはその勇気がなかったのだ。
そのあと高校の話や、大学の話で盛り上がった私たちは店を出た。
楽しい時間が終わる。
また好きになりかけている自分の気持ちを、私はこの場で吐き出してしまうべきか悩んだ。
でも告白した所で多分私たちの関係は、気まずいものにしかならないと分かっていた。
私は勇気を出して切り出した。
「ねぇ..まだ木下さんを忘れてない..?」
私が聞くと、ビクッと肩が震えた。
そのまま私から目を逸らす。