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第1章 あなたと初めて

結局、ジュリエット役・水谷篤、ロミオ役・山岸美枝子で決定すると、噂は学年中に広がった。

文化祭では学券が必要となる。
準備に使うお金を差し引いた儲けを競ったりする。
私たちはもちろん一位を目指していたけど、確かにこの口コミの勢いでは一位も夢じゃない程だった。

ちょっと笑いをとるシナリオは、文学部の子に任せて、女子は衣装、男子は背景の建物を作ったりした。

ざ、青春！という感じで、とても楽しかった。

練習に入ると、恥ずかしそうにセリフを言う水谷篤くんと、さすが男姿も似合う美枝子に、私たちは興奮した。



そしてある日、生徒はいなくなったはずの学校に忘れモノをして取りに帰った日。

私のクラスだけ明かりがついているのに気づいた。