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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第5章 君とのキョリが近すぎて
「おいしかったねー作ちゃん!」
「うん。あ!あれ、木村の姉貴じゃね?」
「え?」
店を出て、作ちゃんの指さす方を見ると、同じクラスの木村君のお姉さんがいた。
なにやら早歩きだ。
「あの姉ちゃん、なんつーかクールってゆうか..怖えんだよなぁ~」
作ちゃんはふっと興味をなくしたように、目を逸らした。
「へ~」
しかし何となく嬉しそうに歩くその姿に、あまり怖そうな印象はうけなかった。
私たちはぶらぶら街を歩き、一人で家にいるはずのお母さんに頼まれたケーキを買って帰った。
しかし..
「家、暗くない?」
私たちは不思議に思いながら、ドアノブに手をかけた。
「え、鍵しまってる。」
作ちゃんは鍵を差込み家に入った。
リビングに向かい、電気をつけると、テーブルに近づいて、うわ..と呟やいた。
「なに?どうし..」
私は後ろから覗きこんで、固まった。
そこには可愛い字で置き手紙があった。
ー今日は智ちゃんママと温泉旅行なの♪二人で仲良くね~! お母さんよりー
「....え。」
私たちは顔を見合わせ、すぐに携帯を取り出した。