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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第1章 あなたと初めて
気づけば私は口走っていた。
「あ、私どうせ裏方だしさっ!暇だから、練習相手..なろうか?部活も入ってないし..」
「え、いいの?」
水谷くんがパッと顔をあげる。
「うん!放課後、教室にいる?」
「いるよ。あ、たまに生徒会室とかだけど..連絡するし..」
そういって私たちは連絡先を交換した。
「..んーもうちょっと身振りを大きくした方がいいかも!」
「こう?」
私たちは放課後の教室で毎日練習した。
水谷くんは本当に真面目で、多分家でも練習してるんだろうなと感じるほど、上達が早い。
そして私にとって、練習のあとに二人で飲むコーヒーの時間が一番の楽しみになっていた。
「今日もありがとう。吉田さん、本当は忙しいでしょ。」
「ううんー暇だよ!それに、呼び捨てでいいよっ!」
「じゃあ..早苗?」
「!?..う、うん!じゃあ私も篤くんで..」
私は苗字を呼び捨てのつもりだったけど、名前を呼ばれ顔が熱くなった。