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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第1章 あなたと初めて
本当は親に早く帰ってこいと言われてたけど、適当にごまかしていた。
水谷くんと一緒にいたいから。
私は..何に対しても一生懸命な水谷くんが好きになっていた。
そしてそれは私だけじゃなかった。
「ね、美枝子、水谷くんを好きらしいよ!」
「え~私もいいなって思ってたのに~!美枝子が相手じゃ無理だね。ね、早苗~」
「う、うん..そうだね。」
私は友達の言葉に相槌をうちながら、ショックを隠しきれないでいた。
(美枝子が..そんなの勝てないよ..)
思いながら、目の前で二人仲良く練習している姿を見ていると、水谷くんと目があった。
そしてニコッとされる。
「!!」
私はすぐに目を逸らし、仕事に取りかかった。
「ねぇ早苗、今日も練習手伝ってくれる?」
「あ..と..今日は..無理..かな。」
「..そっか!ごめんね!また頼むよ!」
ずきん..
笑顔で手を振って走っていった篤くんに、私は胸が痛くなった。
これ以上一緒にいれば、痛い目を見るのはわかっていたから。