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第3章 柿谷早苗のブルマー【脅迫】

最初のページを見た早苗は、その不思議そうな顔をほんの少し綻ばせた。

そこには、タンポポやシロツメクサ、レンゲといった花々の写真が十枚程度、両ページに渡って収められている。

何れも、私がこの春先に、校内やその周辺で撮ったものだった。

私は写真を眺める早苗に、語った。

「先生は写真が趣味でね……学生時代は写真部にいたんだ。どの写真もみんな先生が自分で撮って、自分で現像したものなんだよ……」

それから私は一言、こう付け加えた。

「先生は“美しいもの”を見ると、写真に収めずにはいられないんだ……」

「確かに、どの写真も綺麗ですね……」

早苗はそう言って、私の写真を褒めてくれた。

しかしその一方で、早苗はこれらの写真を自分に見せる私の思惑は、まだ分からないようだった。

やはり不思議そうな顔をして、おもむろにページを捲った。