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ブルマー狩りの季節
第3章 柿谷早苗のブルマー【脅迫】
次には、左右にそれぞれ一枚ずつ、ページと同じ大きさまで引き伸ばしされた、縦長の写真が貼られている。

言わずもがな、“芸術的”作品であるそれら二枚は、どちらも早苗の後ろ姿を写した写真だ。

◇◇◇◇◇

左ページは早苗の尻にブルマーが食い込んでいる状態を写したもの、右ページは早苗がその食い込んだ部分に、右手の人差指を差し入れたその瞬間を捉えたものである。

そして二枚にはどちらにも、左を向いて友人と談笑する早苗の、笑顔の弾けた横顔が、しっかりと写っていた。

◇◇◇◇◇

それらの写真を前に、いよいよ激しく全身を震えさせる早苗に、私はその写真の素晴らしさを――“自画自賛”と言うべきなのか――得意気に解説した。

まずは左のページの一枚を目線で示して、悠々と述べた。

「ほら、その写真……ブルマーが食い込んでるだろう?……そのせいで、右側のお尻の肉が、少し零れ落ちている……左側のブルマーは、お尻の肉に沿って綺麗な“弧”を描いているのに、右側ではブルマーが、お尻の肉の上で“直線”に走っている……この“弧”と“直線”の組み合わせが、何ともイヤらしくて、実に見応えがある……しかも、本来ならブルマーが“紺色の弧”を描くべきところにあるのは、丸見えになったお尻の肉と太股の境目……つまりは“透明の弧”だ……この“透明の弧”も素晴らしい……」

と、そこまで語ったところで、早苗がもう聞くに堪えないといった感じで、怒鳴った。

「止めて下さいっ!」

然る後、早苗は声を荒げて、私に言った。

「先生は、ご自分が何をなさっているか、分かってるんですかっ!?先生のなさってることが、私たちをどれだけ傷付けるか、分かってるんですか!?」

そんな早苗の非難は、全くの正論だと、私は思った。

しかしこの期に及んで正論など、私にとっては何の意味もなく、だから私は早苗の非難には取り合わずに、右ページの写真の解説に移った。
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