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ブルマー狩りの季節
第3章 柿谷早苗のブルマー【脅迫】
勿論のこと、それは“交渉”の体裁を取りながらも、実質的には『断れば写真を雑誌に投稿する』という、純然たる“脅迫”である。

そのことを、早苗はすぐに理解したようだった。

私の申し出を聞いた早苗は、束の間驚いた顔をした後、“脅迫”されている自分を悲嘆するように、また顔を俯かせてシクシクと泣き始めた。

「別に難しいことじゃないだろう……?」

そんな早苗を励ますように、私は言った。

「体操服なんて、いつも体育の授業の時に、普通に着てるじゃないか?」

◇◇◇◇◇

もしも相手が十六歳の高校一年生ではなく、確実な判断力と全うな分別を持った大人なら、この“脅迫”は“脅迫”足り得ないだろう。

少なくとも相手には、“脅迫”されて然るべき落ち度は、何一つない。

それどころか“盗撮”という、紛れもなく法と倫理に反している行為を犯した私のほうが、逆に脅迫されてもおかしくないところだ。

しかしながら、年端のいかない上に、“性”に対して過敏な年頃である十代半ばの早苗には、この“脅迫”は有効に作用した。

自分のブルマー姿を猥褻な雑誌に掲載されて、不特定多数の男性の色目に晒される屈辱には、早苗は耐えられないらしい。

◇◇◇◇◇

やがて早苗が、なおもシクシクと泣きながらも、私に聞いた。
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