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第7章 　　　（３）大人たちの淫欲狂騒

この日は、タケル・てるみのカップルのほか、複数の大人カップルがこのサトシキャンセラーが機能している校内で、バーチャルセックスを楽しんでいた。
タケルが、こっそり同僚教師たちに情報を伝えたというわけ。

２４歳国語教師の女と、３０歳社会教師の男が、廊下で手をつないでいる。
２８歳理科教師の女と、２５歳美術教師の男が、美術教室で手を握り合っている。
４０歳事務職員の女と、４５歳事務長の男が、事務室内で手を重ねている。

いずれも、片方が既婚者とか、両方が既婚者とかの道ならぬ関係のカップルだ。
一夫一婦制は、スケベな人類には合わないようだな。


サトシキャンセラー始動から一週間が、経った。

この学校の校内は、超満員と化していた。
近くを通りかかった人が
「学校で何かイベントでもあるのか？」
と思ったほどだ。
真夏の酷暑の炎天下にもかかわらず、グラウンドには多数のカップルが立ちつくし、手を握り合っていた。

建物の中に入れるのは、学校関係者（教師と生徒と保護者）だけ。
部外者の一般人カップルたちは校門を通らず、フェンス金網の破られた（笑）場所から、皆入り込んでいる。
サトシキャンセラーの情報は、やがて保護者に洩れ、そして近隣の禁じられたカップルたちに口コミで一気に広がったのだ。

グラウンドには２～３００人が、いる。
しかし、皆一言も発しない。シーンと静まり返っている。
それが、近くを通りかかった人には不気味に見えた。

「瞑想教育をしているのです」
サトシが、その人に言い繕った。
「自分も、やってみたい」
その人の申し出に、サトシは困惑。
しかたなく
「好みの異性のかた…浮気相手が理想なんですが…を連れてきて、中に入り、手をつないでください」
と言った。
その人は、あ？というような表情をした。

「この中だと、バレないんですか？」
その人がサトシに尋ねた。
「はい…」
やがてその人は、浮気相手の異性に加え、知り合いの禁断カップルを数組引き連れて校内に入り込んだ。
校内のグラウンドは、人がぎっしりすし詰め状態と化していた。