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ソルティビッチ
第1章 ソルティビッチ…
 7

 わたしとぉ、悠里さんはどれだけの付き合いだと思ってるんですかぁ…

 もうかれこれ15年近くになる…

 だから、彩ちゃんは
『わたしには分かるんですよぉ…』
 と、まで、言い切れるのである。

「ふうぅ、そっかぁ…
 彩ちゃんにはお見通しかぁ…」
 わたしはタバコの煙を吐きながら、そう呟く。

「悠里さんはわたしと違ってぇ、バイが強いからぁ…
 絶対にぃ、わたしとだけじゃぁ…
 ましてやあんな玩具だけじゃあ…
 絶対にぃ、満足なんてぇ、できないですよぉ…」
 彩ちゃんは、そうきっぱりと言い切ってくる。

「やっぱりそうかなぁ…でもなぁ…」

 そう、なかなか理想的な男には巡り会えない、いや、過去に一人だけいたのだが、彼とは不倫の関係であったから…
 とうに別れてしまっていた。

「それにぃ、わたしはぁ、そんな悠里さんのぉ…」

『ビッチ』ぶりがぁ、大好きなんですよねぇ…

「えっ…」

「ほら、あの頃の、バスケ部時代のぉ、県内無敵だったぁ…
 悠里さんの天下無双だったあの頃みたいでぇ…
 そんなビッチぶりがカブってぇ、大好きなんですよねぇ」

「え、そ、そうなんだ…」

 そう、確かにわたしは高校時代、県内、いや、全国的にもバスケに関しては天下無双であったのだ…

 怪我で再起不能になるまでは…

「はい、わたしはあの頃の悠里さんを、いや、悠里先輩にぃ、心から憧れていましたからぁ…」
 彩ちゃんは遠い目をしてそう話してきた。

 心が疼く…

「だから、あの男を物色する、いや、あの見下した悠里さんのあの目…」
 
 ゾクゾクして堪らないんですぅ…

「え、そうなんだ…」

「はい、この前のあの男に云ったぁ…
『腐れチンポくんね…』
 あの言葉は、本当に快感でぇ、ゾクゾクしちゃいましたよぉ…」

「あ、う、うん…
 でも、それじゃぁ…」

 本当にビッチみたい…

「え、そう、悠里さんにこそは…
 本当のビッチでいて欲しいんですよねぇ…」

 そんな彩ちゃんの言葉に…

 嬉しいような…

 複雑な想いがしていた…




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