この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ソルティビッチ
第1章 ソルティビッチ…
8
それから約一週間が過ぎ…
遥か太平洋の南の海上に季節外れの大型台風が発生し、決して目には見えないのだが、空気の圧力がまた、わたしを疼かせてきていた。
間もなく冬の足音が聞こえてくるというのに…
そしてわたしは相変わらずにこの
バー『Bitch』ビッチのカウンターで仕事帰りに酒を飲んでいた。
「いつものアレね」
「はい、『ソルティビッチ』ですね」
それは彩ちゃんのオリジナルカクテルの『ソルティビッチ』…
見た目はピンクグレープフルーツジュースを使った『ソルティドッグ』なのだが…
『ソルティドッグ』はウォッカベースであるが、この『ソルティビッチ』はジンベース。
ジンに女性的な色合いを強調するピンクグレープフルーツジュースをステアし、僅かだがドライベルモットを入れ、更に僅かにトニックウォーターもステアする…
クセのある味のカクテルである。
そしてその『ソルティビッチ』は…
『クソ女』であるわたしをイメージして作られたオリジナルカクテルであった。
彩ちゃん曰く…
正に『クソ女』悠里さんにピッタリじゃないですかぁ…
「あ、お腹も空いたの…」
「腸詰めウインナーありますけど…」
「あ、それがいいわ」
彩ちゃんはバーテンダーとしてだけではなく、料理もかなり上手なのだ。
「相変わらず料理しないんですか?」
「だってぇ、目の前に彩ちゃんはいるし、周りには飲食店沢山あるしね」
「悠里さんには理想的な立地ですよねぇ」
「うん、それに一階にはコンビニもあるしね」
わたしの住むマンションの一階にはコンビニもある。
「そうですよねぇ、いつも悠里さん家の冷蔵庫の中はほぼ空ですもんねぇ」
「うんコンビニが冷蔵庫だからぁ」
正に冷蔵庫は要らないのだ。
「うふホント、ビッチだ…」
彩ちゃんはそう笑いながら料理を作り始める。
すると…
カウンターの端に男の子ってイメージの若い男性客が居たのに気付いた。
このバー『Bitchビッチ』は、入口を入ると正面に逆L字型のカウンターがあるだけのバーであり…
その正面右側に縦に三席、そして正面横向きに八席ある。
わたしはそんなカウンターの一番右端側の三席の一番奥にいつも座っていた…
そしてその男の子は、わたしからは一番遠い、左側端の席に座っていたのだ。
それから約一週間が過ぎ…
遥か太平洋の南の海上に季節外れの大型台風が発生し、決して目には見えないのだが、空気の圧力がまた、わたしを疼かせてきていた。
間もなく冬の足音が聞こえてくるというのに…
そしてわたしは相変わらずにこの
バー『Bitch』ビッチのカウンターで仕事帰りに酒を飲んでいた。
「いつものアレね」
「はい、『ソルティビッチ』ですね」
それは彩ちゃんのオリジナルカクテルの『ソルティビッチ』…
見た目はピンクグレープフルーツジュースを使った『ソルティドッグ』なのだが…
『ソルティドッグ』はウォッカベースであるが、この『ソルティビッチ』はジンベース。
ジンに女性的な色合いを強調するピンクグレープフルーツジュースをステアし、僅かだがドライベルモットを入れ、更に僅かにトニックウォーターもステアする…
クセのある味のカクテルである。
そしてその『ソルティビッチ』は…
『クソ女』であるわたしをイメージして作られたオリジナルカクテルであった。
彩ちゃん曰く…
正に『クソ女』悠里さんにピッタリじゃないですかぁ…
「あ、お腹も空いたの…」
「腸詰めウインナーありますけど…」
「あ、それがいいわ」
彩ちゃんはバーテンダーとしてだけではなく、料理もかなり上手なのだ。
「相変わらず料理しないんですか?」
「だってぇ、目の前に彩ちゃんはいるし、周りには飲食店沢山あるしね」
「悠里さんには理想的な立地ですよねぇ」
「うん、それに一階にはコンビニもあるしね」
わたしの住むマンションの一階にはコンビニもある。
「そうですよねぇ、いつも悠里さん家の冷蔵庫の中はほぼ空ですもんねぇ」
「うんコンビニが冷蔵庫だからぁ」
正に冷蔵庫は要らないのだ。
「うふホント、ビッチだ…」
彩ちゃんはそう笑いながら料理を作り始める。
すると…
カウンターの端に男の子ってイメージの若い男性客が居たのに気付いた。
このバー『Bitchビッチ』は、入口を入ると正面に逆L字型のカウンターがあるだけのバーであり…
その正面右側に縦に三席、そして正面横向きに八席ある。
わたしはそんなカウンターの一番右端側の三席の一番奥にいつも座っていた…
そしてその男の子は、わたしからは一番遠い、左側端の席に座っていたのだ。