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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第4章 序章~最初の「死」~

ハソンは若い娘が一緒にいて、胸を焦がすようなタイプではなかった。穏やかな物腰で、声を荒げることさえない。隣にいれば安らげはするが、所詮はそれだけで、雪鈴にはどこか物足りなかった。
しかし、今では、優しすぎる彼に物足りなさを感じた自分を何と薄情な妻かと詰りたくもなる。ハソンと夫婦として過ごしたのは、わずか五日であった。五日で永の別れをするなら、もっと彼を知ろうとすれば良かった。穏やかな物腰の下に、もしかしたら彼が隠していたかもしれない何かを見つけることができたかもしれないのに。
しかし、今では、優しすぎる彼に物足りなさを感じた自分を何と薄情な妻かと詰りたくもなる。ハソンと夫婦として過ごしたのは、わずか五日であった。五日で永の別れをするなら、もっと彼を知ろうとすれば良かった。穏やかな物腰の下に、もしかしたら彼が隠していたかもしれない何かを見つけることができたかもしれないのに。

