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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第4章 序章~最初の「死」~
 先頭に立つ見知らぬ二人の中の一人が見せつけるように、クルクルと短刀を手のひらで回した。



「さんざん手間かけさせやがったな、若奥さま」



 侮蔑するような声、視線に、雪鈴はキッと相手を見据えた。こんな手合いに愚弄されるいわれはない。



「無抵抗な女に男数人とは、恥を知れ」


 と、傍らの男が腹を抱えて笑い出した。



「えらい気の強い女だな。これだけの器量と若さで、みすみす殺すのか? あんたを置いて死んだ亭主もさぞ心残りだったろうよ」
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