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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第40章 花、薫る夜
 別れの挨拶の際、女将は桂花を抱きしめ、



ー幸せにおなりよ。世子さまが浮気なんかしたら、このあたしが宮殿まで押しかけて説教してやるからさ。



 と、涙ぐんだ桂花を笑わせた。姉女郎の華月は真っ赤な眼をして見送ってくれた。



ー何か気の利いた科白を言わなきゃと思えば思うほど、頭が真っ白になっちまう。



 これも、最後まで笑いに紛らせて送り出してくれたのは、泣いている桂花をこれ以上哀しませまいとの心遣いに相違なかった。
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