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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕
爺さんはひとしきり愚痴るだけ愚痴ると、既に興味を失ったかのように行ってしまった。サンチョムは立場は使用人ではあるが、現在は仕事らしい仕事はしていない。彼が我が物顔で悠々自適な日々を送っているのも、ひとえには彼の立場ゆえであった。サンチョムの亡妻が主人ギルソンの乳母であったという。そのせいか、ギルソンはサンチョムを父親のように扱っていた。
またひとしきり薪割りに集中していた彼は、軽やかな足音に気付いて手を止めた。庭を歩いてくるのは、妙齢の若い娘だ。
またひとしきり薪割りに集中していた彼は、軽やかな足音に気付いて手を止めた。庭を歩いてくるのは、妙齢の若い娘だ。