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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕
ボクスはついに睡魔に負け、眼を閉じた。ああ、やっと逝ける。この世のしがらみや苦しみから解き放たれて楽になれるんだ。
明日の朝には、彼は凍死体として発見されるだろう。ボクス自身はその瞬間、まったく生への執着も未練もなかった。だが、運命とは時に残酷なものだ。
夜半、ボクスは誰かに揺り起こされた。
「おい、起きろ。起きるんだ。こんな真冬に眠っちまったら、おだぶつだぞ」
ー煩いな、俺はやっと永の眠りにつこうとしてるんだ。邪魔しないでくれ。
ボクスは次第に覚醒する意識に抗おうとしたけれど、無駄なことだった。
「おいったら、起きろ」
明日の朝には、彼は凍死体として発見されるだろう。ボクス自身はその瞬間、まったく生への執着も未練もなかった。だが、運命とは時に残酷なものだ。
夜半、ボクスは誰かに揺り起こされた。
「おい、起きろ。起きるんだ。こんな真冬に眠っちまったら、おだぶつだぞ」
ー煩いな、俺はやっと永の眠りにつこうとしてるんだ。邪魔しないでくれ。
ボクスは次第に覚醒する意識に抗おうとしたけれど、無駄なことだった。
「おいったら、起きろ」