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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕
「死ぬのはお前の勝手だが、勝手に他人の持ち家で死ぬのだけは止めてくれ。厄介事に巻き込まれるのはご免だからな。犬猫でも最期は迷惑をかけないようにひっそりと自分の始末をつけるというぞ」
男が振り返った。
「ついて来い」
ボクスは馬鹿みたいに座ったまま男を見上げた。
「え?」
丸顔がニッと笑った。
「どうせゆく当てもないんだろうが」
男はボクスを置き去りにして、さっさと歩いてゆく。急に真冬の夜の寒さが身に迫り、ボクスは慌てて男の後を追った。
男が振り返った。
「ついて来い」
ボクスは馬鹿みたいに座ったまま男を見上げた。
「え?」
丸顔がニッと笑った。
「どうせゆく当てもないんだろうが」
男はボクスを置き去りにして、さっさと歩いてゆく。急に真冬の夜の寒さが身に迫り、ボクスは慌てて男の後を追った。