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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕
どうやら、俺はまた死に損なったらしい。
ボクスを助けたのは、シン・チェソクという商人である。チェソクはかつてボクスが勝手に宿としていた場所で書店を営んでいたのだが、町にもっと大きな書店ができて、さっぱり売り上げが落ちた。そのため見切り時と店を畳んで、今は自宅で代書屋を開いて細々と暮らしていると語った。
チェソクはボクスの事情を詮索しようともせず、黙って家に置いてくれた。ただし
「ただで喰わせるつもりはないからな」
と、ボクスに読み書きを教えた。
「代書の手伝いができるくらいにはなれ」
実際、ボクスは物憶えが良く、幸運にも手蹟は丁寧で整っていた。チェソクはボクスの拙い字を見て
「お前は代書屋向きだ」
褒めてくれた。
ボクスを助けたのは、シン・チェソクという商人である。チェソクはかつてボクスが勝手に宿としていた場所で書店を営んでいたのだが、町にもっと大きな書店ができて、さっぱり売り上げが落ちた。そのため見切り時と店を畳んで、今は自宅で代書屋を開いて細々と暮らしていると語った。
チェソクはボクスの事情を詮索しようともせず、黙って家に置いてくれた。ただし
「ただで喰わせるつもりはないからな」
と、ボクスに読み書きを教えた。
「代書の手伝いができるくらいにはなれ」
実際、ボクスは物憶えが良く、幸運にも手蹟は丁寧で整っていた。チェソクはボクスの拙い字を見て
「お前は代書屋向きだ」
褒めてくれた。