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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第45章 新たな日々
 主君の危急と我に返った他の護衛たちが応戦し始め、少しく後、黒装束の刺客たちは蜘蛛の子を散らすように消えた。



 ギルソンに呼ばれ、ボクスは主君の前に片膝をついた。



「そなたが私を庇ってくれたのか」



 ボクスは応えない。自分の手柄をひけらかすようなことはしたくない。



「名は」



 続けて問われ、応えた。


「ボクス」



 ホホウという呟きが漏れた。



「なるほど、ケトンが是非ともと推薦していたのは、そなたのことだったのだな」



 これにも、どのように応えて良いものか判らない。
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