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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第45章 新たな日々
執事は護衛の一人にボクスを連れて戻り、医者に診せるように伝えた。ボクスが一礼して背を向ける寸前、ギルソンの声が聞こえた。
「己れを必要以上に売り込みたくないのは判るが、必要なことすら口にできぬのは思慮深いのではない。それは、ただの臆病だ、卑怯者だ。更には、過剰な遠慮は相手に誤解を招くし、対人関係も悪化させる。心しておきなさい」
ボクスが振り返った時、既にギルソンの乗った輿は大勢のお付きに守られ、遠くなっていた。
「己れを必要以上に売り込みたくないのは判るが、必要なことすら口にできぬのは思慮深いのではない。それは、ただの臆病だ、卑怯者だ。更には、過剰な遠慮は相手に誤解を招くし、対人関係も悪化させる。心しておきなさい」
ボクスが振り返った時、既にギルソンの乗った輿は大勢のお付きに守られ、遠くなっていた。