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背徳のキス
第4章 3話目
「カリブディス、ご飯。」
レヴァイアタンが、素っ気なくそう呼びかけると、鏡面のように静かだった海の水面からカリブティスが渦潮を連想させる巨大な口を覗かせた。
「キャアアアア♡レヴァイアタン様ぁ♡
アーんして♡」
ワニの皮膚のように硬い鱗板で覆われ、大きな青い眼球が飛び出たグロテスクな深海魚のような見た目、そして全長500メートルの水妖。それがカリブティスだ。大食いの怪物魚だが、こう見えて性別は雌であり、ご飯の次にレヴァイアタンが大大大好きである。
「アーんして♡」と甘えてきたカリブティスをレヴァイアタンはガン無視すると、シャチが入った巨大漁網を投げ入れる。
「えー...アーンしてよ😫」
カリブディスはぶつくさ文句を言いながら、鋭利な歯で漁網を喰い破り、死んだシャチを丸飲みしていく。海のギャングとして名高いシャチだが、巨大危険海洋生物が居るこの魔海では、シャチですら養殖魚扱いなのだ。
“よし...今のうちに”
レヴァイアタンは、彼女が餌に夢中になっているのを確認すると、背を向けて去ろうとしたが、「ダメ!!!行っちゃダメ!!」と呼び止められた。彼はチッと心の中で舌打ちする。