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背徳のキス
第4章 3話目
「何?用件は?」
「ど、どうしてそんなに他人行儀なの?😣私と貴方の仲じゃない😘未来の奥様になる私に対してあまりにも冷たいわー(´・ω・`)でも、そんな貴方もス・テ・キ❤️」
「君と結婚する予定は無いね。それで用件は?」
「もう照れちゃって❤️こんな大掛かりな結界という名の檻に私を監禁しておいて、そんな事言うの?私を誰よりも独占したい癖にぃ〜😘」
”.....また始まったよ、
カリブディスの被愛妄想...。“
レヴァイアタンは耐えきれず本人の目の前で大きく溜息を吐いた。
監禁は、魔海の秩序を乱すような行為を働く生物全てに行っている。
けれども彼らは同時に天界人と戦う際の戦友でもあるので、無下な扱いは出来ない。
”他の魔海生物達を喰うなよ“という意味で強力な隔離結界を貼っているだけ。だから君に対して恋愛感情は抱いていない。そう何度も彼女に言ってきたわけだが、妄想に取り憑かれた精神病の彼女には牛に経文だ。
もうこうなると、右の耳から左の耳に聞き流すしかなくなるが、生憎レヴァイアタンは彼女の妄想話に付き合ってあげる程、暇では無い。
「ごめん僕忙しいから。じゃあ。」
去り際の捨て台詞として定着しつつある台詞で締めると、「ちょっと待って〜💦」と叫ぶ彼女を無視して次の場所へと移動する。
この次、9つの頭を持つ巨大毒蛇ヒドラが更に面倒なのだ。首が切断されても新しい首が再生する不死身の生命力を持つヒドラだが、なんとカリブディスにご執心らしい。その為、レヴァイアタンが来ると嫉妬で怒り狂い、彼めがけて猛毒を口から放つのだ。
八つ当たりも良いところである。そしてこちらも話を全く聞かない頑固者で気性が荒い。つまり「好意は一切無い」と伝えても無意味なのだ。
“まーたヒドラを半殺しにして躾かよ。
重要な戦力じゃなければ最早殺したいところだけど、アイツはダメだ。クッソ、常々思うが、何故奴の給餌の度にコッチが無駄な労力を消費しないといけないわけ?いっその事、アイツの食事抜くか?そうすればどんな低脳でも少しはありがたみってもんが分かる筈だ。いやー...でもアイツ暴れるんだよなぁ.....“
心の中で盛大に悪態を吐く。口達者なラハブに上手く押し付けるのは無理だった。餌を片手に魔海の猛獣使いレヴァイアタンはヒドラの元へと渋々向かうしかないのであった。