この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
背徳のキス
第4章 3話目
「あ、ありがとう。嬉しい。」
「....ただ褒めただけだろ。それより君の絵ってどこの美術館に飾られてるの?」
「..........え?」
「名前はペンネーム?実名?そういえば、君の名前知らなかった。なんて名前なの?有名な写実画家だと思うけど、僕無知で。教えてくれない?」
「ご、ごめんなさい。絵は売り出していないんです。趣味で描いているだけで。」
「......こんなに上手いのに?嘘だろう?」
「嘘じゃないですよ(笑)ずっと前、路上販売した事ありましたけど、見向きもされませんでした。」
「....は?何で?」
「何でってそんなの決まって....私が....醜いから.........」
彼女の声は途中から涙声になっていた。
泣き笑いのまま、「ご、ごめんなさい、突然泣き出しちゃって。ちょっと待ってて下さい。」と手の甲で必死に涙を拭う。
嫌な記憶を思い出したのだろうか?
「容姿差別なんてクソ喰らえだ。」
心の中で思っていた事がそのまま口に出てしまったらしい。
レヴァイアタンは吐き捨てるようにそう言うと、シェリーは一瞬キョトンとした顔をしてクスクス笑う。