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第1章 『私』と『彼』との馴れ初めの話

もしかしても、もしかしなくても私、
毎週…生田さんと…飲みに行ってるって。

そんな事に気が付いたのは８月の９日の話で。

９日の帰り道に、生田が巴の
歩いている進行方向を遮る様にして
先回りして立つと。

『あの…、今度…の…、
土曜日とかって…時間ありますか？』

…と、男性１人では…行きにくい場所に

付き合って欲しいと言われて。

自分は何に付き合わさせるのかと思っていると。

スイーツパラダイス…通称スイパラで。

確かに…オープン前の待機列に

並んでいるのは…女性客かカップルなので。

男性の…それも、１人では…。

来にくい店…ではあるよなと…思いながら。

こっちがお願いしたのでと生田さんに言われて。

そこの…お支払いは…生田さんが出してくれて。

ちょっと離れたテーブルの所の、

２０代の女性客３人組が

私と生田さんの方をチラチラと見ていて。

『あ～、やだやだ…、
不倫デートでスイパラとか』

『不倫じゃなくって、レンタル彼氏かもよ？』

『受けるッ、でもさ…あれかもよ？
レンタル彼氏じゃなくってさ、
主張ホストの方かもよ？』

そう…その、３人が…こっちを見ながら
それぞれに思い思いの事を口にしていて。