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12歳年下の彼に看病される話
第5章 芸術の秋…とかしてみたり
「明日のデートに来ていく服、
…用意しとかないと…」
実家の妹が、今年は赤だよって。
トレンドカラーをオススメしてくれたけど。
生憎、私は赤のアウターを
着こなせる様な…派手な顔はしていないので。
だからと言って、真っ赤なパンツも
履きこなせる自信がないので。
どっちかと言うとボルドーに近い様な、
落ち着いた色味をした
赤のニットのトップスを買ったので。
それに白のスカートを合わせて。
調整用にベージュの厚手の
ストールを肩にかけて行く事にした。
その日は…お風呂でピーリングをして、
髪の毛を乾かしながら、
シートパックをして。
港斗君から電話が掛かって来たので、
ベッドでゴロゴロしながら
電話をしている内に…、
段々眠たくなってしまって。
ふぁ…っとあくびを漏らした時に。
『ああ、もうこんな時間でしたね、
僕…、まだ…お風呂に入ってないんでした…。
巴さん、じゃあ、明日迎えに行きますから。
ゆっくり休んでくださいね?おやすみなさい』
「うん、港斗…君…おやすみなさい…」
ーーー
ーー
ー
アラームをセットした時間に、
アラームで目を醒まして。
朝ご飯と洗面をして、
昨日用意して、脚付きのマットレスの上に
広げていた服に巴が着替えると。
顔に乗せていた朝用のシートパックを
ポイっとゴミ箱に捨てて、
保湿をして、肌を整えると。
寝室にしている部屋に置いている、
実家から持って来た
ドレッサーに向かってメイクする。
元々このドレッサーは妹の奴で、
妹は新しくお姫様みたいな
ドレッサーを買ったからあげると、
無理やり…欲しいとも要るとも
言ってないのに置き去りにして行ったものだ。
ドレッサーの引き出しに入れたままで
妹から貰ったのにまだ1回も
付けた事が無かった、秋色の
口紅を取り出して。
今年はメイクも赤が流行って居るらしくて。
繰り出して見て…この色は
自分なら買わないって思ったんだけど。
くすみレッドの…口紅で。
ニットが赤だし…、赤赤した
赤じゃないから…アリか…と思って。
メイクの仕上げに、その
秋の新色のくすみレッドの
口紅を自分の唇の上に乗せた。
「え…、発色良すぎないかな?
唇だけ…自己主張…し過ぎてないかな?」
あまりにも想像してたよりも
色合いが強くですぎてて、
自分の肌から浮いてる気がする。