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第1章 『私』と『彼』との馴れ初めの話

確かに…先週の３人組の子達が。

私と生田さんとの関係を、

そんな風にお金の繋がりだって…

邪推してしまうのも…頷けるよなと。

そんな事を考えていると。

船からの景色を楽しんでいた生田さんと、

視線がぶつかってしまって。

見つめ合ったままで…、その視線から

私は…視線が逸らせなくなって居て。


『さっきの話の…続き…なんですけど…』

そう…生田がこっちに切り出して来て。

潮風の音が邪魔をして、

上手く聞き取れなかったので。

巴が生田の隣に移動をして。

手すりを自分の手で握ると、

下から聞き洩らさない様にと

耳に意識を集中させなががら。

彼の方を見上げていると。

ふぃっと…こっちの視線から

逃げる様にして、

彼が視線を向こうへ向けてしまって。

見つめすぎてしまったかと…思っていると。


『あの…、巴さんが…お嫌でなければ…、
ランチとか、ティーじゃなくて…、
トワイライトか…ナイトクルーズに…』

その生田の言葉に、巴が首を傾げる。

「もう、生田さん…それじゃあ…
恋人同士の…デートになっちゃいますよ？」

そう言って視線を上げると、
彼の視線と…視線がぶつかってしまって。

真っすぐに、こちらへ向けて…
見据えられている視線に…。
思わず…身動きが取れなくなってしまって居て。

ドキドキと…急に動悸がして来て…。

自分の心臓が…騒がしく…なるのを…感じる。