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12歳年下の彼に看病される話
第6章 11月の出来事
「綺麗…に…なってねって、
周りの人に言われる様になったけど…。
流石に…、なり過ぎちゃっては…、
言い過ぎ…だよ?港斗君。
でも…、それもね…、私は。
港斗君がね、私の事を…、いつも
可愛いねとか、綺麗だねって、
沢山沢山褒めてくれるからだって…」
『褒めてないですよ…、僕は。
思った事を…思ったままに、
感じたからそう言ってるだけですから。
だから…、それだけ…、
巴さんが…可愛くて、綺麗で
魅力的で…素敵だから…ですよ…。
でも…、許しがたいですよ。
僕の方が…先に気付いてたのに、
あ、そうだ…次の週末に…
とりあえず、指輪を買いに行きましょう』
何がどうなって、とりあえず
指輪を買いに行くのか
私にはさっぱり話が見えないのだけれど。
「え?指輪って、誕生日でも
なんでもないのに?クリスマスには
ちょっと早すぎる気がするし…」
『何言ってるんですか、
クリスマスじゃ遅すぎますよ!
クリスマスなんて来月じゃないですかッ。
と、言う事なので…、安物でも良いから
とりあえず指輪を買いに行きましょう』
「指輪…」
普段声を荒げたりしない、彼が
珍しくこの時は声を荒げていたので
巴は驚いてしまったのだが。
今度の土曜日に指輪を買いに行くので
彼の中で予定が決定してしまって居て。
クリスマスプレゼントなのかと
尋ねてみたが、そうではないらしい。
『婚約指輪の…、
予約指輪みたいなのですよ。
じゃあ、僕が婚約指輪を贈りたいって
もし、言ったとしたらですよ。
巴さんどうしますか?』
「えっ…そんな…まだ…、
付き合って2ヶ月ちょっとだし…
婚約指輪とかは…早いと……」
『でしょ?だから安物で良いんですよ』
彼はそれで納得をしてるみたいだけど
巴には、さっぱりわからなかったのだが。
『じゃあですよ?僕が40万の
指輪を貰って下さいって言ったら
巴さん受け取ってくれますか?』
「えええっ、そっ、そんな、
高価な指輪…貰えないよ…ッ」
『じゃあ、僕が3千円の指輪、
貰って下さいって言ったら?
巴さん、貰ってくれます?』
「そ…それぐらいなら…、
貰っても、…良いかな…」
『と言うだけの話ですよ…』
そう言って港斗がうんうんと
一人で納得して頷いて居て。