この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
~疼き~
第2章 追憶
「偶然だなぁ、俺も7月が誕生日なんだ…」
「そうなの?」
「そうさ…」
そう言うと二人は笑うのだ。
夏海は蒼を初めて見た時から内心とても気になっていたのだ。
だが、いきなりこのようなアプローチをされるのも初めてだった。
夏海は良く男から声を掛けられていた。
毎回それを断ってはいたのだが、今日はちょっと違っていた。
蒼とは初めて会った気がしなかったからだ。
「歳はいくつ?」
「いきなり、女性に年齢を聞くなんてちょっと失礼じゃないかな?」
夏海はちょっとむくれたような感じで答えた。
「いや、俺と同じくらいかと思ってさ。そしたらどんな趣味とかもわかるじゃん?」
夏海はそれもそうね、という顔をしてこう答えた。
「私は35よ。そういう岩崎さんはいくつなの?」
その言葉を聞くと蒼はとても驚いている様子だった。
どうみても、自分と同じ歳にしか見えなかったからだ。
「えー!?マジかよ、俺より4つも年上じゃん!?てっきり年下だとばかり思ってたのに…」
そう言うと頭を抱えてしまった。
蒼は実年齢に見られたことがなかった。
それは、童顔だったからかも知れない。
それに、女顔だった。