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~疼き~
第2章 追憶

「偶然だなぁ、俺も7月が誕生日なんだ…」

「そうなの?」
「そうさ…」

そう言うと二人は笑うのだ。
夏海は蒼を初めて見た時から内心とても気になっていたのだ。

だが、いきなりこのようなアプローチをされるのも初めてだった。
夏海は良く男から声を掛けられていた。

毎回それを断ってはいたのだが、今日はちょっと違っていた。
蒼とは初めて会った気がしなかったからだ。

「歳はいくつ?」
「いきなり、女性に年齢を聞くなんてちょっと失礼じゃないかな?」

夏海はちょっとむくれたような感じで答えた。

「いや、俺と同じくらいかと思ってさ。そしたらどんな趣味とかもわかるじゃん?」

夏海はそれもそうね、という顔をしてこう答えた。

「私は35よ。そういう岩崎さんはいくつなの?」

その言葉を聞くと蒼はとても驚いている様子だった。
どうみても、自分と同じ歳にしか見えなかったからだ。

「えー!?マジかよ、俺より4つも年上じゃん!?てっきり年下だとばかり思ってたのに…」

そう言うと頭を抱えてしまった。
蒼は実年齢に見られたことがなかった。

それは、童顔だったからかも知れない。
それに、女顔だった。

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