この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
~疼き~
第3章 前日の事
蒼の葬儀は身内だけでひっそりと執り行われた。
通夜が終わり、葬儀も済み、初七日も終わった日だった。
蒼の遺骨は夏海と一緒に暮らしているアパートに置かれていた。
「夏海さん、気を落とさないでね…」
蒼の姉の文江がそう言ってくる。
蒼は4人兄妹の末っ子だった。
姉が二人に兄が一人いた。
両親はすでに他界している。
その長女の文江から言われたのだ。
「今は、気が張っているからいいけど、これで一人きりになると急に気が緩んで倒れちゃう人もいるみたいだから身体には気を付けてね…」
文江はとても夏海を心配している様だった。
夏海は葬儀の間、ずっと泪が出て来ないでいた。
それ程にショックだったのだろう。
「お姉さん、ありがとうございます。私は大丈夫ですから…」
そうは言ったものの、実際には全く大丈夫な状態ではなかった。
「ちゃんと、食事もしてね。何かあったら連絡頂戴ね…」
「分かりました…」
そう言うと、文江達兄妹は夏海のアパートを後にした。
夏海はひとりポツリと取り残されてしまった。
通夜が終わり、葬儀も済み、初七日も終わった日だった。
蒼の遺骨は夏海と一緒に暮らしているアパートに置かれていた。
「夏海さん、気を落とさないでね…」
蒼の姉の文江がそう言ってくる。
蒼は4人兄妹の末っ子だった。
姉が二人に兄が一人いた。
両親はすでに他界している。
その長女の文江から言われたのだ。
「今は、気が張っているからいいけど、これで一人きりになると急に気が緩んで倒れちゃう人もいるみたいだから身体には気を付けてね…」
文江はとても夏海を心配している様だった。
夏海は葬儀の間、ずっと泪が出て来ないでいた。
それ程にショックだったのだろう。
「お姉さん、ありがとうございます。私は大丈夫ですから…」
そうは言ったものの、実際には全く大丈夫な状態ではなかった。
「ちゃんと、食事もしてね。何かあったら連絡頂戴ね…」
「分かりました…」
そう言うと、文江達兄妹は夏海のアパートを後にした。
夏海はひとりポツリと取り残されてしまった。