この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
~疼き~
第3章 前日の事

蒼はというと、朝起きると夏海の姿が無かった。

「夏海の奴、まだ怒ってるのか…」

そう呟くと、冷蔵庫を開けてベーコンに卵を取り出した。
ベーコンをカリカリに焼きその上に生卵を落としてベーコンエッグを作った。

厚切り食パンを袋から1枚出すとそれをトースターで焼いた。
ケトルで湯を沸かし、ドリップ珈琲を淹れる。

それを飲みながらパンにかぶりついた。
蒼はひとり暮らしが長かったせいか、料理はとても得意だった。

夏海が居なくても自分の食べるものは自分でちゃんと作れたのだ。
その後、スーツに着替えると鞄を持ちアパートを出た。

電車はいつものように大混雑で、もみくちゃにされながら蒼は三田の駅に着いた。

「連休明けはマジで身体がだりぃ…」

そう、呟くと会社のあるビルまで歩いてゆく。

そして、あの事故にあう。
夏海はあの日の事を思い出していた。

まさか、あの朝が最後の日になるとは思ってもみなかった。
何故、あんなにあの時自分は怒っていたのだろう。

何故、蒼を許さなかったのだろう。
そう思うと泪が出て、止まらなくなっていた。

夏海は蒼の笑顔の写真の前で泪が枯れるまで泣いた。
心が疼くのをこの時感じていたのだ。

部屋には西日が入ってきてとても暑さを感じた夏海だった。

/90ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ