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~疼き~
第4章 たまごサンド
「今日、作ってあげなよ…」
香織がそう言ってきた。
夏海はちょっと泪目になって、泪が頬を濡らすのを感じていた。
「うん、作ってあげる…」
夏海はコクリと頷いた。
香織は夕方までアパートに居てくれた。
「じゃ、また、来るから。元気出しなよ…」
そう手を振って駅で別れた。
自宅に戻るとその後、夏海はたまごサンドを作り始める。
生卵を鍋に入れて水を張り、水から火にかけ14分茹でる。
そのゆで卵の殻を剥き、ボールにゆで卵を入れ、フォークで粗切りにしてゆく。
その卵にフレンチドレッシングとマヨネーズ、パセリ、塩こしょうを入れ良くかき混ぜる。
次に、バターをあらかじめ常温で溶かしそこにマスタードを少し入れかき混ぜる。
サンドイッチ用のパンにマスタード入りのバターを塗ってゆく。
そのパンの上に先ほど作った卵とマヨネーズ、フレンチドレッシングを混ぜたものを載せてゆく。
そして、もう一枚のマスタード入りのバターを塗ったパンを乗せる。
ナイフで半分にカットすれば出来上がりだ。
そのたまごサンドを蒼の写真の前に置いた。
「蒼、大好きなたまごサンドだよ…一緒に食べようね…」
そう言うと、写真の中の蒼が笑っているように見えた。
部屋はたまごサンドの香りで満ちていた。