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~疼き~
第6章 告白
それに、まだ彼女が亡くなって一か月余りではないか。
浩二の精神はどうかしてしまったのではないかと思った。
それとも、彼女との関係はそんなに深くなかったのではないかとも感じていた。
夏海には、まだ蒼への想いがあった。
蒼を忘れることなど出来なかったのだ。
それに、浩二は友達としてしか感じたことがなかった。
今あるこの関係を夏海は壊したくないと思っていた。
「鈴木さん、気持ちは嬉しいのだけど、私たちは友達のままでいましょうよ…」
夏海は浩二に自分の今ある気持ちを伝えた。
果たして、男女の間に友情が芽生えるのかどうかは分からなかったが。
浩二はとても残念な様な顔をしてビールを一口飲んだ。
「わかりました…」
浩二はそう言うと枝豆を摘まんで口の中に入れた。
夏海は一口ビールを飲んだ。
その一口が妙に身体に染みて酔いが回ってくるように夏海は感じていた。