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~疼き~
第7章 LINE
そう寛貴は言うと伝票にハンコを押して夏海にお客様控えを渡した。
その時に、寛貴から1枚のメモ紙を伝票の控えに混じって渡されたのだ。
始め、夏海は何の意味だか分からなかった。
「後で、読んで…」
そう寛貴は小声で言うと荷物を持ち事務所を出た。
そこには、携帯番号とLINEのIDらしきものが書かれていたのだ。
「もし、良かったら、俺とLINEしないか?」
メモ紙にはそう書かれていた。
他の人にバレないようにそのメモ紙をバッグにしまった。
夏海はそのメモ紙をこっそりと自宅に持ち帰った。
寛貴の事を別に悪いとは思っていなかった。
自分の好みの男性だったし、性格もそんなに悪い人だと思えなかった。
ただ、やはり蒼の事が頭をよぎる。
夏海は仕事が終わり自宅に帰ると寛貴の携帯に電話をした。
呼び出し音が鳴る。
「もしもし…」
「あ、白石ですが…」
「待ってたよ~。電話来ないんじゃないかと思った」
そう言うと電話口で笑っているのが分かった。
「あの、メモ紙の意味はなに?」
「あぁ、素直に白石さんと仲良くなりたいな…て思っただけだよ」