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~疼き~
第8章 恋愛
季節は物凄く蒸し暑い夏になっていた。
この年の夏は異例の暑さだった。

この日、夏海は蒼が生前世話になっていた生命保険会社の外交員、姫野和弘と自宅アパートで会っていた。

和弘とは、蒼と一緒に暮らし始めてからの付き合いだった。
蒼はもし自分に何かあった時の為にと、生命保険に加入していた。

保険の受取人は夏海だった。
内縁関係でも保険の受取人にはなれる。

色々と書類を提出する必要はあったが、それさえクリアすれば保険金を受け取る事ができた。

その保険金で蒼の葬儀ができたのだ。
今和弘は夏海の医療保険の担当をしている。

そんな事があり、和弘とは友人の様な関係になっていた。

和弘は夏海より2歳年下で結婚しており、子供もひとりいた。
夫婦仲もそれは良く、夏海からしたら理想の夫婦に見えた。

「その後、白石さん、どうされてましたか?」
「ええ、毎日何だか辛くて…」

「蒼さんの事ですか?」
「ええ、そうです…」

そう言うと黙ってしまった。

「余り、ご自分を責めるのはやめたらどうですか?」
「はい、分かっているんですけどね…」

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