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~疼き~
第8章 恋愛
「やはり、僕も今の白石さんを見ていると辛くなります…」
「すみません…」
「謝らないでください…」
夏海は黙ってアイス珈琲を一口飲んで喉を潤した。
エアコンは入れているが、それでも暑さを感じずにはいられなかった。
「姫野さん、私、最近思うんです。もう恋とかできないんじゃないか、って…」
夏海はそう言うとまたアイス珈琲を一口飲んだ。
「そんなことないですよ。まだ、お若いじゃありませんか?」
「だって、もう43歳になってしまったんですよ?もう、おばさんです…」
夏海はそう言うと深くうな垂れてしまった。
そんな姿を見て和弘はこういってきた。
「白石さん、ゲートボールしてるご老人ご覧になったことありますか?」
「はい、ありますけど…」
和弘は少し笑いながらこう続けた。
「人間三人寄れば揉め事ってありますよね。そのご老人達の揉め事って何だか分かりますか?」
夏海は分からないと言う顔をしてこう言った。
「想像がつかないんですけど…」
和弘はちょっと微笑みながらこう答えた。
「その揉め事の殆どが恋愛関係なんですよ…」
「え?そうなんですか?」