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~疼き~
第8章 恋愛
「だって、嬉しいんだもん…」
夏海は思っていた。
もし和弘が結婚していなければ、きっと和弘の事を好きになっていただろうと。
だが、現実とは上手くいかないもので、和弘は既婚者だ。
夏海は不倫などする気はなかった。
特に、和弘の様な幸せな人の家庭を壊すようなことはしたくなかったのだ。
「少し、元気が出ましたか?」
「はい、何となくですけど…」
「あぁ、それは良かった」
和弘はそう言うと微笑んだ。
その微笑みを見ると夏海はどこか癒されていくように感じていた。
窓の外からはうるさい程の蝉の声が聞こえていた。