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~疼き~
第8章 恋愛
夏海は驚いてそう聞いた。
和弘は微笑みながら尚も話し続ける。
「そうなんです。だから60歳になっても70歳になっても80歳になっても恋愛はできるんですよ…だから、諦めたらダメです…」
夏海はそれを聞くと少し気持ちが落ち着くのを感じた。
尚も和弘は話し続ける。
「白石さんは、僕が思うにとても優しい人だと思うんです…」
「私、そんなに優しくなんてないです…」
夏海は和弘のその言葉を否定した。
だが、和弘は微笑みながらこう言ってくる。
「白石さんは、僕が言うのもなんですが、人並外れて優しく気配りが出来て純粋で素敵なハートを持っている方だと思います…」
「私、そんなハートの持ち主じゃないですけど…」
また、夏海はそれを否定した。
その否定の言葉を無視するかのように和弘は続けた。
「もし、優しくなかったら、いつまでも亡き人の事を思い遣ってあげられませんよ。それが気配りでもあると思うんです…」
夏海はその事に返事が出来なかった。
だが、気持ちが少し軽くなるのを感じていた。
「私、もう一度、恋ができるでしょうか?」
「できますよ。白石さんは優しい…きっと同じように優しい方と出会えると思います」
夏海は、泪が頬を伝って流れるのを感じていた。
「泣かないでください…」