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第9章 出逢い

季節は真夏へと変わっていった。
毎日、気温35℃の日々が続いていた。

外では毎日うるさい程に蝉が鳴いている。
夏海は新たに出会いを求めるようになっていた。

そこで、過去に少しだけやり取りをしていた寛貴の事を思い出した。
そう、夏海の会社に出入りしている運送業者の寛貴だった。

寛貴は夏海と連絡を取らなくなってから、配達エリアが変更になり、夏海の会社には別の配達員が来て、寛貴は来なくなっていた。

夏海はもう一度寛貴と会いたいと思い電話をしてみる。
だが、“この電話番号は現在使われておりません”のアナウンスが流れて繋がらなくなっていた。

夏海は寛貴の事を諦めるしかなかった。
そこで、友人の浜崎香織に相談してみたのだ。

電話で香織と話している時だ。

「香織、私また新たに恋がしたいのだけれど、どうやったら出逢いってあるのかな？」
「その気になって来たんだ？」

香織はそう言うととても嬉しそうに電話口で笑っているようだった。

「どうやったらいいと思う？婚活サイトなんてちょっと抵抗あるし…」
「なら、SNSの出会いの掲示板に書き込みすればいいんじゃない？」

しかし、SNSは昨今、事件が絶えないでいる。
夏海はちょっと困惑していた。

「大手のSNSサイトの掲示板なら大丈夫じゃない？」