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~疼き~
第10章 初対面
9月に入っても暑さは和らぐことはなかった。
そんな9月の第二金曜日に夏海は新横浜に来ていた。

新横浜の待合室で蓮が来るのを待っていたのだ。
蓮が乗る新幹線の到着時間は午前10時43分だった。

夏海は10時半になると、待合室を出て、蓮が下りてくる改札の階段の下で待っていた。
大勢の人たちが改札を出て、階段を下りてくる。

夏海は蓮を探した。
だが、なかなか蓮は改札から出て来なかった。

自分は時間を間違えたのではないか。
そう、思ってしまい、LINEの履歴を見た。

すると、確かに10時43分着の新幹線に乗ると書いてある。
夏海は心配になって来た。

そんな、心配をしていた時だった。
小さなキャリーケースを持った男が階段を下りてくる。

夏海は目を凝らしてその男を見た。
蓮が写真で送ってくれた人物に瓜二つだったのだ。

その男も夏海に気づく。
手を振ってくる。

夏海も思わず手を振った。

「やぁ、夏海かぃ?」
「ええ、私が夏海だよ…」

「待ったかぃ?」

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