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~疼き~
第12章 1年後
蓮と出会ってから1年が過ぎていた。
季節はまたちょっと暑さを感じる春を迎えていた。

今年も桜の開花が早かった。
蒼の三回忌の法要が執り行われていた。

「もう、3年になるのね…早いわね…」

そう、蒼の姉の文江が言ってくる。
夏海はちょっと汗ばんだ額にハンカチを当てていた。

「お姉さん、本当に早いと思います…」
「夏海さん、もう蒼の三回忌も無事に終わった事だし、いいお相手が居たら結婚してもいいのよ?」

「はい、居ない訳ではないのですが…」

夏海は少し言葉を濁した。
また額の汗を拭いた。

「夏海さん、私たちや蒼に遠慮とかしないで頂戴ね…」
「ありがとうございます…」

この時、まだ夏海は迷っていた。
蓮からは「一緒に暮らそう」と言われていたのだ。

だが、最後の一歩が踏み出せないでいた。
まだ、自分は蒼に対して自責の念があるのだろうか。

自分は幸せになっても良いのだろうか。
そう、考えていたのだ。

そんな、気持ちを察したかのように文江が言ってくる

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