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青い欲情~男と女の色模様~
第7章 おねえさんと再び
レンタカーにしても
これだけの車を借りるにはかなりのお金が必要だろうに…
そのように尋ねると
レンタカー会社にもコネがあるから
格安で借りれるのとサラリと言ってのけた。
たぶん、この場合のコネというのは
体の魅力で作り上げたコネなんだろうなあと思ったが「人を娼婦みたいに言わないで!」と怒られるのが目に見えていたので、あえてなにも言わずに黙っていた。
「帰りは少しぐらい遅くなってもいいんでしょ?」
「えっと…確認してみますね」
『帰りは遅くなります』
そのように母にLINEしたけど
待てど暮らせど既読にならない。
仕方ないので「遅くなってもいいと思います」と
おねえさんにそのように伝えた。
「そっ、じゃあ少し遠出しようね」
アクセルを踏み込み、
二人を乗せたスポーツカーは
どんどんと東京から離れていった。
「ここよ、この景色を明人と二人で見たかったの」
僕が連れていかれたのは
サスペンスドラマで犯人が追い詰められるような岬の先端だった。
観光地でもないからか
車は僕たち以外に一台も停まっていなかった。
「ここから眺める夕日がとても綺麗なの」
しばらくは車のなかでコーヒーを飲んだりして
おしゃべりをしていると
秋の日は釣瓶落としというように
あっという間に夕闇が迫ってきた。