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青い欲情~男と女の色模様~
第22章 エピローグ

やがて結婚式が行われた。

早くに父親を失くした沙織のバージンロードをエスコートするのは沙織の指名で新郎の父である春彦が努めることになった。

「この20メートルを最後に
お前は私の義理の娘になってしまうんだね」

ウェディングマーチが鳴り響くなか、
春彦は新婦の沙織に頬を寄せて囁いた。

「そうね…まさか春彦の義理の娘になるとは思わなかったわ」

「あいつに愛想が尽きたら、いつでも私の元に帰ってきていいんだからな」

「よしてよ、清美さんを死ぬほど愛しているくせに」

「愛情を分け合うというのもいいんじゃないか?」

「うふふ、春彦ったら変わらないのね…
これからは私に愛情を注ぐんじゃなくてこの子に与えてあげて」

そう言って沙織はかなり膨らんで目立ってきたお腹に手を添えた。

私は妊娠しない体かもしれない…

そんなことを言っていた沙織だったが、
二人が久方ぶりに結ばれたあの夜の性交で
ものの見事に懐妊した。
どうやら今までの男と違って僕の精子はやたらと勢いがあったようだ。

やがてバージンロードの終着が訪れた。
父の春彦に握られていた手は静かに明人にバトンタッチされた。

「僕はこの手を一生離さないよ」

沙織の瞳を見つめて明人がそのように囁くと
沙織の瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。







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