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青い欲情~男と女の色模様~
第14章 それぞれのクリスマス
毎年の家族のイベントが
今年はどうやら初めて中止になるみたいだ。
せっかく思いきってクリスマスに美波を自宅に招いて、両親に紹介したいと思っていた僕の企みがオジャンになった。
「何もクリスマスに忘年会なんてしなくてもいいのにね」
朝食のトーストを齧りながら
僕は珍しく自分から父に話しかけた。
「まあそう言うな
今年は幹事役の社員が張り切ってるんだ。
少しずつ忘年会の集まりが悪くなってきたから
ここらで面白い企画をしようと頑張ってくれているんだから」
「ふ~ん…でも、こんな日に忘年会だなんて誰も来ないんじゃない?」
「ところがそうでもないんだなこれが、
ほら、何て言うか今の若者は恋愛ベタというか
決まったパートナーがいないみたいなんだよ
シングルベルで寂しく過ごすぐらいなら経費が会社が受け持つと言ったら、皆がタダ酒を飲みに集まるみたいだぞ」
ふ~ん…恋愛ベタねえ…
セックスってとんでもなく気持ちいいのにな…
僕は男と女がペアを組まないことを不思議に思った。
「まあまあ、たまにはこんな年もあっていいんじゃないの?
明人もいつまでも子供じゃないんだからクリスマスぐらいは仲のいい友達と騒ぎたい年頃でしょ?」
母が、まるで今年を契機にこれからもクリスマスは各自でバラバラに過ごすのもいいかもと言い出した。