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青い欲情~男と女の色模様~
第14章 それぞれのクリスマス
「じゃあ、行ってくるからな」
「私たちが留守だと思って友達を招いてバカ騒ぎだけはしないでね
ご近所迷惑になると恥ずかしい思いをするのはパパとママなんだから」
夕刻になると、父も母もいつもよりおしゃれにして玄関を出てゆく。
母なんて、いつもとは違う香水をつけたのか
やけにプンプンといい匂いをさせていた。
玄関を出た両親は
父が右に、母が左へと
まるで家族離散の様相を僕には見えた気がした。
両親が出かけた後、
30分ぐらいしてからドアのインターホンが鳴った。
モニターには出かけた両親のように着飾った美波が立っていた。
「いらっしゃい」
僕はイソイソとドアを開けて美波を招き入れた。
インターホンのモニターではわからなかったけど
今夜の美波はキラキラと輝いていた。
いつもは学校の制服と体育のジャージ姿しか見たことがなかったからお洒落な私服姿の美波にクラクラしてしまう。
おまけに化粧なんてしているものだから
いつもの美波とは違う別の女を自宅に招いた気分になって、僕の心は高揚していた。
それに比べて…
僕はくたびれたジーンズにヨレヨレのトレーナー…
美波に合わせて僕も少しはお洒落をしておくべきだったと後悔した。